一般に芝生と呼ばれているものには多くの種類がありますが、利用法としては芝庭やゴルフ場・サッカー場の芝地がほとんどです。生育型で分類すると、日本芝のコウライシバで代表される暖地型、西洋芝に多い寒地型に分けられ、これらはすべてイネ科の植物です。
●暖地型
夏芝とも呼ばれ、その所以は温暖な気候がもっとも芝生の生育に適しており、夏に最もよく成長し、冬には茶色く枯れてしまうことからといわれています。ここでいう「枯れる」とは休眠している状態のことをいいますが、表面上だけが枯れ、地中の根や茎には栄養を蓄え、休眠している状態です。春先から少しずつ成長をはじめ、夏に最もよく成長します。また、芝は根茎と呼ばれる茎を地上あるいは地下から伸ばして、地表面を覆うように繁殖します。
●寒地型
冬芝とも呼ばれ、寒冷な気候が適し高温多湿に弱く、夏枯れを起こしてしまう場合があります。しかし冬でも緑の芝生を楽しむことができます。冬芝は、生育適温が低いため秋季から春季にかけて最もよく成長します。 そのため、冬季の使用におけるすり切れ等や雑草の侵入も少なく、見た目にも美しいのですが、窒素や水の要求量も多く、冬季の刈込み作業も必要になるためランニングコストは暖地型に比べ高くなります。屋上では、地上に比べ日当たりがよく、非常に成長するため、芝刈りの手間が増えるとともに、夏季に高温となるため、夏枯れを起こす可能性がかなり高くなります。